夫が携帯電話をなくしました。
わたしがそれを知ったのは、娘からのLINEでした。
携帯電話をなくした夫が、公衆電話から自宅に電話をかけてきたというのです。
いまどき、公衆電話なんてよく見つかったな、と感心したのですが、そういえば駅前の交番近くにひとつあるのを思い出しました。
わたしは夫と待ち合わせをしていたわけではありませんが、買いものをするつもりでスーパーのフードコートにいたのです。
そのフードコートは、わたしが夫のお迎えの待ち合わせによく使う場所でした。
すれちがい・夫婦篇
あとから夫に聞いたところ、夫はフードコートに足を運んで、わたしがすわっていたあたりも見たらしいのですが、わからなかったそうです。
そうして、携帯電話を持たない夫とスマホを持った妻とは、たぶん目と鼻の先にいたはずなのにすれちがいました。
夫は娘と電話で話したあと自宅に向かい、わたしも買いものをすませたあとで家路へと急いだのです。
ここでもまた、わたしたち夫婦はそれぞれちがう道をえらびました。
わたしは人通りのある明るい大通りをえらび、夫は人の利用は多いけれど暗い住宅街をえらんだのです。
わたしが自宅まであと100メートルを切ったとき、娘からのLINEで夫の帰宅を知りました。
自宅までのまっすぐな道のさきには、夫が歩いていたのです。
携帯電話を落とした夫がどんなに落ち込んでいるだろうと思っていたら、ふだんどおりでした。
あわててもいないし、落ちついた様子でパソコンの前にすわっています。
パソコンの画面にはバス会社の営業所の名前がならんでしました。
どうやらバスの中で携帯電話を落としたらしいのです。
ちなみに夫が携帯電話を落とすのはこれで2回目です。
夫は前回の経験を生かし、auに連絡して回線を止めました。
それから、バスの営業所へ電話しましたが、携帯電話は見つかっていないとのことでした。
おそらく、見つかろうと見つかるまいと、夫の携帯電話はスマホへ替わることでしょう。
今月、夫は誕生日をむかえます。
スマホは誕生日プレゼント候補のひとつでした。
ふしぎなタイミングです。
ではまたー。