知っている人がいると安心ですか?

桜並木イメージ つぶやき
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ある人がある講演会へ行ったときに、「あなたはいま、知っている人の隣に座ったのではないですか?」みたいな話から始まって、もっと知らない人に、知らないものに入っていこうよ、という話の流れ。

うろおぼえだけど、だいたいそんなの。

そんな文章を読んで、「あー」となっとくしたできごとがありました。

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入学式に声をかけられて???

桜並木イメージ

この4月、娘の高校の入学式がありました。

入学式がひと通り終わって、新入生は教室へ向かい、保護者はそのまま体育館で説明を受けました。

その説明が終えて、保護者も各自教室へ向かうとき、ふいに声をかけられました。

その人Aさんは、幼稚園のバス停がいっしょで、小学校低学年のころに転校していった子供の保護者です。

えー、かれこれ、7年くらい経ってます?

何年生のときに転校したかすら、覚えていません。

こちらとしては、そのくらいの記憶です。

バス停がいっしょだったから話をしたていどの、ほぼごあいさつだけの関係。

そして、そのAさんは引っ越した先の地名、自分の子供がかよっていた中学校名、その中学校からこの高校へかよう生徒は多いが、まったく知り合いがいないことなどをざっと話しました。

それから、部活動は決まった?

とか、そんなこと、ですね。

それから、教室の近くで「じゃあ、これで」とお別れしました。

そのときの40代主婦の頭のなか

名簿を見たとき、似ている名前があるとは思ったけど、よくある名前だし、漢字がちがうように思ったから、まさかAさんの子供本人だとは思わなかった40代保護者です。

Aさんには、バス停時代から親しいママBさんがいて、そのBさんからの情報で、わたしの娘がおなじ高校へ行く、と知ったのだそうです。

こっわー。

わたし、そのBさんとはもうあいさつもしてないような関係なんですけど。

中学校3年間、おなじクラスになったことがないし。

あとで娘に聞いたら、娘も似たような感じで、ぜんぜん接点ないし、あの子がどこの高校かも知らない、といっていたし。

でも、向こうは知っていたんだよー。

そして、Bさんの子供から、ママBさんに伝わり、BさんからAさんへ伝わり、AさんからBさんの子供に伝わった、という。

Bさんは、入学式のまえから、そういうことをずっと知っていて、わたしの姿を見つけて声をかけてきたのだ、ということです。

娘は娘で、入学式の日にBさんの子供に声をかけられたそうです。

ひえー。

こういうことを、なんか、コワイと思ってしまう40代保護者です。

それはさ、自分だったら、ぜったい話しかけないからなんですよ。

相手との関係性による、ともいえるのですが。

わたしとAさんの関係を考えたとき、わたしが逆の立場だったら、Aさんに話しかけないです。

入学式に姿を見かけたら、「あ、いるな」で終わり。

目があったら、「覚えているかなァ」と思いつつ、相手の表情を見つつ目礼して終わりです。

7年も8年もたってから、バス停のあいさつでいどの関係で、わざわざ声かけるもんなの?

そんなふうに思って、ふしぎだったのですが。

どうやら、人は知っている人がいると安心するので、知らない場所などに行ったとき、知っている顔をさがして、いたらそのとなりにすわったり、話しかけたりするらしいです。

ということが、冒頭のうろおぼえ話でつながって、つまりBさんからの声かけはそういうことだったのだ、と納得しました。

わたしに興味があるとか、これをきっかけになかよくなりたいとかじゃないんですよ。

ただ、そこに知っている顔があったから。

それだけのことなんですよ。ナットク

知っている人、知らない人

むかし、有名な実験で、電話ボックスに何人の人が入れるか実験、というのがあって。(リンク先はwiki「電話ボックスへの詰め込み競争」)

知っている人同士より、知らない人同士のほうがたくさん入るのだそうです。

知り合ってしまうと、気がねが発生してしまったりして、無遠慮に押し込めなくなってしまうのだとか。

そういう意味で、わたしは知らない人のほうが気楽です。

講演会に聴衆として参加するなら、知り合いの顔などさがしません。

わたしが講演会に参加するということは、その講演会に興味があるから行くのであって、知り合いがとなりにいないほうがよいのです。

集中できます。

あるいは。

もし、わたしが知り合いをさがすとしたら、それは必死なとき。

自分ではどうにもならない、ワラをもつかむ気持ちでさがすとき。

講演会や入学式は安全だから、だいじょうぶです。

つまり、わたしは安全なところにしか行かないから、知り合いの顔をさがさないのかもしれない、ともいえるでしょう。

わたしはもっと危険な場所へ分け入っていくべきなのか、とそんなイメージをいだいた出来事でした。

ではまたー。

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