前回、田舎の母から電話がかかってきたのは1月です。
父が白内障の手術をする、という話でした。
そのときに、なんだか母が「年を取ったアピール」をしてくるなァ、と感じました。
今回の電話もだいたいそんな感じで、あと新型コロナウイルスの話でした。
年を取るとこんな感じアピール
白内障の手術
父は白内障の手術をしました。
たぶん、問題なく、無事に終わったみたいです。
母によれば、父は両目の手術が終え、以前よりもよく見えるようになった、とのことです。
年を取ったのだから、そういうことをするのはあたりまえ、みんなしている、と母は言っていました。
ちなみに母は、いまのところ白内障の手術をしていません。
歯を抜いた
さらに父と母は、歯を抜いたそうです。
それぞれ1本ずつ。
これで母は歯が25本になったそうです。
80歳で20本が目標だとすると、25本あるならいいのではないでしょうか。
母本人もそういっておりました。
母の同級生の○○〇子ちゃん(フルネーム、ちゃんづけで言われたが、しらんがな)は一度に4本抜かれたそうです。
母はそんな(一度に4本も抜いてしまうような判断をくだす)歯科医院には行きたくない、と言っていました。
母は近所の行きつけの歯科医院に行っているのですが、抜歯に際しては市立病院を紹介されて、そちらで抜歯したとのことです。
母が言うには、麻酔をしたら簡単に抜いてもらえて、そのあとの痛みもなく、もらった痛み止めも飲まなかったのだそうです。
また、母は入れ歯を作る話をしていました。
歯が25本あったら入れ歯なんていらないのではないかと思いましたが、1本だけの入れ歯かもしれないです。
奇数となった歯のバランスを整えるための入れ歯、というような?
くわしくはわかりませんが、そんな話をしていました。
80代母と新型コロナウイルス
この時期、おたがいに首都圏住まいですから、当然コロナウイルスが話題にのぼります。
わたしが住んでいる県も、両親が住んでいる県も、首都圏某所なものですから、わりと早めに感染者が確認されています。
80代母と手洗い
マスクは手に入らないだろうし、ちゃんと石鹸で手洗いしているか、母にたずねてみました。
すると、80歳を過ぎた田舎の母が言いました。
80代母「テレビでもそう言ってるんだけど、してないんだいなぁ」
エッ?
勇気ある80代だな、おい、という心のツッコミを押し殺しつつ、40代娘は会話を続けました。
世の中の高齢者は、コロナウイルスをおそれ、外出をひかえ、石鹸による手洗いを熱心におこなっていると思ったのですが、そうでもないのでしょうか?
テレビの言っていることをせっせと実践しているのかと思っていたら、母はどうやらちがうようです。
けっきょく自分の都合にいいことしかやらない、母のいさぎよい姿勢にあきれるやら関心するやら。
いったい、どのくらい差し迫った状況になったら石鹸を使い出すのでしょう。
80代母とトイレットペーパー
父と母はどうやら大手スーパーまで車で行って、日々の買い物をおこなっているようです。
やはり一時期トイレットペーパーがなかったそうです。
その後、トイレットペーパーがあったので、2つ買おうとしたら1人1つまでだったそうです。
父母は2人暮らしなので、1パックあれば十分だと思います。
やっぱり、買いたくなるんだなァ、と感心しました。
80代母と水
さて、母はふだんまったく水の買い置きをしていません。
それでも今回、水を買っておいたほうがいいのではないか、と思ったそうです。
ふだんペットボトルの水を利用しているのならともかく、電気、ガス、水道が無事なのだから、とくに買い置きする必要はないだろうと話しました。
こんなときにペットボトルの箱買いをして、期限切れのまま放置される未来が見えた40代娘です。
80代母とマスク
父母にはマスクを買い置きする習慣がありません。
ですから、いまもマスクなし生活をしているだろうと予想していました。
80代母が言うには、抜歯のときに行った市立病院の先生に「マスクをしたほうがいい」といわれたそうです。
そこで、病院内でマスクを1枚10円で(1人1枚まで)売っていたから、父母はそれぞれ1枚ずつ買ったそうです。
さらに母が言うには、もう何年も前から袋入りのマスクを10枚くらい持っているのだそうです。
(こうして書いてみると、もしかしたら母は、わたしがマスクがなくて困っていてそのマスクをゆずって欲しいと言うかもしれないと思っていたのかもしれない、と思いつきました。わたしたちは、このような心の読み合いをしているのかもしれません。エスパー)
80代母とアルコールスプレー
わたしは、母に石鹸の手洗いをくり返しすすめました。
すると母が「じゃあ、あのスプレーでシュッシュッする消毒のを買おうかな」というのです。
いやいやいや、その手の商品はもう売ってないでしょー。
すくなくとも、わたしが暮らしているあたりでは、2月の初めにはなくなっていました。
おそらく、父母が暮らしているあたりでも手に入らないだろうと思います。
不思議なのは、そこまでしてなぜ石鹸の手洗いをしようと思わないのか、という点なのですが。
やっぱり、身近に感染者がいないと、変わらないのかなァ、と思いました。
とはいうものの、父はしっかり石鹸を使って洗っているような気がします。
母にはなにをいっても聞かないから、父は自分だけしっかり予防しているのではないか、と。
一蓮托生だけどね。
80代母と新型コロナウイルス情報
父母が住んでいる県にも感染者の確認はありますが、それは栄えている地域の話。
そう思って話をしていたところ、実は近隣の市内に感染者がいて、その人が行った病院には人が行かなくなった、と言いました。
そして、その情報は父が釣りに行ったときに聞いたというのです。
マユツバ!
と思いつつ、あとで確認したら、だいたい本当でした。
県内の感染者の一時滞在場所(実家)が、父母の住む近隣の市だったのです。
もちろん病院の名前は伏せられているのですが。
地元だと、「あの病院!」とわかるということですかね。
ということは、「あの病院!」「あの家!」「あの人の子供!」ってなるわけですよね、コワイ。
母の電話の目的について
ところで、わたしと母とは用事がなければ電話をかけない関係です。
つまり、母が野菜を送るときに電話をし、わたしが野菜を受け取ったときに電話する、というように。
ですから、今回の電話にもなんらかの目的があった、と考えるべきでしょう。
前回、1月の電話のときも、一見すると用事のない電話でした。
用事といえば、父が白内障の手術をするという報告でした。
強いて考えれば、手術への不安があったのかもしれません。
母は、子供のときは戦争があって、こんどはこんなことが起こって、と言っていました。
80歳を過ぎてもいろいろあります。
母は、今回の電話の中で「勝手にしているから」といっていました。
好き勝手にしている自覚はあるようです。
その勝手も、いつまで続けられるか、という不安がめばえたのでしょうか?
そういえば、母親とはかれこれ4年会っていません。
おたがいに年を取ったのではないかなー、と思います。
つぎに会うときがいつになるかはわかりませんが、再会するとき、母は見知らぬ老女のような姿になっているかもしれません。
あるいは、亡き祖母をほうふつとさせるでしょうか。
そんな可能性が、ふと思い浮かびました。
ではまたー。