作文の時間に、「私は、」と書いたきり、あとがつづかずにチャイムが鳴るのを待っていた小学生時代。
読書感想文も、似たりよったりでした。
しかし、読書感想文には、たぶんだれにでも書ける方法があります。
どうして読書感想文が書けないのか?
書きかたを知らないからです。
かんたんな読書感想文の書きかた
さて。
これで、だいたいの人が書けると思う、読書感想文の書きかた、というのがあります。
ざっと4つに分けまして、いわゆる「起承転結」のかたちです。
読書感想文でも、ひろい意味での作文でも、「はじめ」と「おわり(まとめ)」は書いてあるのがいいと思います。
さいしょの32行(2016年8月24日に書きなおしました)
- 1行目3マスあけて「『本のタイトル』を読んで」を書きます。
- 2行目に学年、組、名前を書きます。
3行目は1行あけます。
さいしょの32行は、学校の作文の書きかたとしてならっていると思います。
そのとおりに書けばいいと思います。
はい、これで32行が終わりました。
43行目からが本文です。
(※2016年8月24日追記)
学校の指導のちがいなのか、1行目タイトル、2行目学年組名前、3行目本文、という書きかたがいまの主流なのかもしれない、と書きなおしました。←息子の作文がそうなっていました。
3行目を空きにするか、本文にするかはその学校の指導に合わせていただけたらよろしいかと思います。
(追記おわり)
はじめに、その本を読んだきっかけ
- その本を読んだきっかけ、理由を書きます。
- 表紙の絵の感想を書いたり、読むまえの印象、きもちを書きます。
お母さんにすすめられて、とか、表紙の絵がかわいかったから、とか、そんなことでいいです。
お母さんが子供のときに大好きだった本です、とか、お母さんが○○書店で買ってくれました、と具体的に書くことで、文章が長くなります。
表紙の絵を見て、○○○○な話だと思って読みはじめました、なんて書けばいいわけです。
ここで、5、6行くらい書けると思います。
あらすじ→感想、をくり返す
- 物語の場面ごとのあらすじを書きます。
- その場面の感想を書きます。
- (以下、くり返す)
ここで、場面のあらすじ、その感想を何回かくり返して、行数をかせぎます。
目安としては、せめて原稿用紙の2枚目、15行くらいまではこのくり返しでうめていきます。
自分のことを書く
- 物語と関係がありそうな自分の体験、思い出を書きます。
- 物語とおなじこと、ちがうこと、思ったことを書きます。
ここでちょっと、自分の生活や経験について書きます。
で、自分の生活と物語とをくらべたり、反省したり、いいなと思ったり、そんなことを書きます。
読んだ本がファンタジーだったとしても、そこに描かれているのは、家族だったり、友情だったり、自分と変わらない悩みや考え、行動があります。
共感できること、あるいは自分にはまったく理解できないことなどを書いていきます。
ここまで書いて、2枚目が終わるくらい原稿用紙がうまればいいと思います。
さいごに、まとめを書く
- 本を読み終えての感想を書きます。
全体的な感想というか、読み終えてどうだったのか、おもしろかったか、つまらなかったか、どきどきしたか、そんなことを書きます。
はじめの部分に書いたこと(読むまえの感想)を見ながら、じっさいに読んでみてどうだったか、などを書いていきます。
気持ちの変化、考え方の変化などが、はじめの部分との対比になっていたら上出来かなー。
これで2枚以上、3枚以内の原稿用紙が、読書感想文でうまります。
と思うんですけど、いかがでしょう?
確認したところ、かの有名な読書感想文コンクールでは、本文の規定文字数が、小学校1、2年生は800文字以内、ほかの学年は1200文字以内、中高性が2000文字以内でした。ガンバッテー
規定枚数に届かないなーと思ったら、「あらすじ→感想」のくり返しをふやすとか、本をえらんだきっかけをことこまかに書いていくなりして、水増しします。
水増しというと身もふたもないのですが、肉づけです。
くわしく書こうとすれば、文章っていくらでも長くなっていきます。
- ウサギが飛んでおもしろかったです。
- 主人公となかよしの白いウサギが空たかく飛んで、すごくおもしろかったです。
- 主人公となかよしの白いウサギが空たかく飛んで、はらがよじれるほどすごくおもしろかったです。
というように書いていくと、マス目をうめる手助けになります。
もちろん、低学年にぶっつけ本番はムリです。
学校の作文でも、まずメモ、下書きはしていますから、読書感想文でもおなじように声かけをします。
低学年向けにかわいくまとまるのが、手紙形式で書くという方法です。
登場人物に書く、作者に書く、お母さんに書く、先生に書く、そんなふうに書くこともできます。
コツ→ですます調で書く
中高生だったら、だである調がいいと思います。
でも、指定されているわけでなければ、ですます調がおすすめです。
宿題として、どうしても書かなければならない場合は、より多くのマス目を埋めるために、ですます調をつかいます。
コツ→改行をする
たとえば、物語ごとのあらすじとその感想だったら、かくじつにふたつの段落ができます。
しかし、子供は改行をせずに、つぎつぎ書こうとします。
そこで改行ですよ。
それだけで行数がかせげて、さくさくすすみます。
主人公のきめ台詞を引用したりして、それだけで改行しちゃうとか、そういうことをすれば、さらに読書感想文ははかどります。
あらすじを書いたらいけない?
読書感想文の書きかたとして、あらすじは書いてはいけない、という話が出てくるのですが、書いてはいけない、ということではなく、書かなくてもいいってことです。
宿題として、しかたなく読書感想文を書くのだとしたら、マス目をうめるために、えんえんとあらすじを書いて、おもしろかったです、とまとめちゃってもいいんです。
ただ、そこに、だれかからの評価が加わってくると、あらすじだけじゃいかん、となるのです。
入賞を目指すぜ、っていうのなら、あらすじなんか書いている場合ではないのです。
ここでは、まあ、それなりに読書感想文のかたちになる、書きやすい書きかたということで、ね、4部構成での書きかたにしています。
4つに分けて、それぞれ子供にたずねながら、メモさせて、そこから清書させるって手順で。
読書感想文はもっと自由に書いていい
読書感想文って、夏休みの宿題として提出することはあっても、ふだんの授業で書いたことはありません。
つまり、書きかたの指導もなければ、添削もなかったのです。
(というのが40代主婦の読書感想文の記憶です)
だからね、書けないのもしかたないんじゃありません?
でも、ヒントがあります。
他人が書いた読書感想文を読むのです。
そこに丸写しできる答えはないけど、ヒントはあります。
わたしが他人の読書感想文を読んだのは、高校生のときでした。
目からウロコがおちるような体験でした。
読書感想文て、こういうことか、と。
じつはあらすじなんていらないのです。
あんなのは、行をうめるための方便なのです。
書いてはいけないってものじゃないけど、書かなくてもいい、好きにしていい。
ただ、ひたすら、自分の考え、思ったこと、自分の体験、そんなことを書いていけばいいのです。
この本を読んで考えたこと、変わったこと、読書の感動なんかを書くとさらによいです。←いちおう、読書感想文だからね。
わたし自身は冒頭で書いたとおり、作文を書くのが苦手で、でも本を読むのは好きな子供でした。
本を読むのが好きで、本について書いた本を読むのも好きなのです。
だから、本を読むのがきらいで、作文を書くのがきらいっていう子供が、読書感想文というダブルできらいなものを、宿題として出されている苦痛って、想像を絶するぜ。ゴクリ
まー、本に関することでは、赤木かん子さんの影響が大きいのですが。
本の探偵で有名な、ヤングアダルトに関してくわしく、もちろん児童書にも造詣が深く、さいきんだと調べもの学習の本でもお世話になりました。
読書感想文に関しては「お父さんが教える読書感想文の書きかた」という著作があって、参考にさせていただきました。
わたしのなかでは、赤木かん子さんは平野レミさんみたいな口調でしゃべっています。
勝手なイメージですけど、すごく饒舌な感じです。
まー、とりあえずね、なにか1冊くらい読書感想文の書きかたに関する本を読むといいです。
まじめに読むんじゃなくて、パラパラと気になるところだけ読むのでいいから。
もくじ見て、気になるところだけ読む、とか。
この本じゃわからないよ、って思ったら、べつの本を読めばいい。
でも、だいたい、おなじことを書いてあるなー、っていうのがわかると思います。
それにしても、小学1年生からいきなり読書感想文の宿題なんて、指導もしてないのにむちゃするなぁー、と。
息子のかよう小学校では、読書感想文は自由課題です。
娘はけっきょく6年間、いちども書きませんでした。
むりもないですね。
ではまたー。
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