この夏、4人家族はひさびさの別行動です。
お盆に帰省するのは、夫だけです。
夫が単独で、夫自身の実家へ2泊します。
今回の帰省計画が例年とちがったのは、夫が自動車を捨て活して、わが家から自動車がなくなったこと、義母の容体がわるく、わたしたち家族の宿泊が負担になるということ、などが影響しています。
それ以前にも、娘がこの春から中学校に入学したため、夏休み中の部活を考えたら、帰省できるのは夫と息子だけかもしれない、などと話し合っていたのです。
それぞれの実家への帰省、おどろくべき夫の考え方
帰省について、夫と話し合いました。
帰省について話し合ったとき、夫すごいなー、ありえんなーと思ったのは、夫には息子と二人で、自分の実家とわたしの実家に帰省する気持ちがあったのです。
わたしに実家に、わたし抜きで、泊まれるのォ? 夫スゲエェエエ!!
これにはおどろきました。
夫にいわせると、孫の顔を見せるためだそうです。
わたしの実家に、夫が息子と二人で泊まることは平気なのだそうです。
まー、たしかにお手伝いなしの完全お客さま、ビール飲んだら寝ちゃいました、だもんね。ウン、タシカニイケル
いっぽう、わたし自身は、自分と子供だけで夫の実家に泊まるのは無理です。
やってやれないことはないけど、「夫抜きで義理の実家に行く意味があるのか」といったら、ないからです。
なにしに来たのか、という視線を浴びるよねー、ぜったいに。
そのへんのこと、夫はわからないみたいです。
孫(わたしたち夫婦の子供)といっても「しょせんはよその女の腹から生まれた子なんだよ」と、夫に、姑から見た「孫」を表現してみたけれど、伝わりませんでした。
近所に住んでいる義姉の子供たちとはちがうのだ、ということ、わからなかったみたいです。
姑が見たいのは、たんに夫の顔なのである、ということ。
わたしも心得ておりますから、今年は夫だけが、夫の実家に帰省です。
実家に泊まらない帰省をする
さて、わたしの兄は実家に宿泊しません。←かれこれ15年くらい?
基本、日帰りのできる距離ですし、法事のときには市内のホテルに泊まっていました。
わたしの実家は数年前から、わたしたち家族に「お風呂は外で入ってきてほしい」と母がいい出したくらいですから、外に泊まってくれたほうが気楽なのだと思います。
実家にはシャワーもありませんし。
わたしの生理と娘の生理の日程を考えたら、実家にはもう泊まれなくなるだろうと、うすうす感じていました。
それで、前回の帰省では、温泉の個室というのを利用したのです。
帰省するというと、実家に泊まるのがあたりまえのように考えていました。
でも実家の事情によっては、たとえ帰省でもホテルを利用したほうがいい場合もあります。
実際、数年前の急な法事では、わたしたち家族もあわてて市内にホテルをとったことがありました。
実家に負担をかけないという点で、実家以外の宿泊先を手配するのはわるくないと思います。
実家に泊まれるのは、同居している別家族がいないから
わたしの実家も、夫の実家も、同居している別家族がいません。
わたしの実家にいるのは両親だけですし、夫の実家は義母と義兄(未婚)だけです。
たとえば、義兄が結婚して、夫の実家の構成が、義母と義兄家族になったとしたら、いくら実家でも泊まれません。
むかしならいざ知らず、いまどきは無理ですよね、遠慮します。
そんな話を夫としたのはいまから10数年も前のことでしょうか、義兄はいまだに独身です。
義兄にしてみたら、一家4人子連れの帰省なんてうっとうしいに他ならないわけですから、今回の夫のみの帰省は正解だったと思います。
両親亡きあとの帰省ってどうなっちゃうの?
以前、60歳前後の女性Mさんとお話をしたときのことです。
Mさんのご主人の父親が亡くなったとき、告別式ではご主人の実家に泊まったそうです。
ご主人の実家は、こちらからは飛行機をつかっていくほどの遠方にありました。
Mさんのご主人の実家には、ご主人の兄がいて、兄嫁がいるわけです。
そして、その兄嫁というのが、どうもおかしかった、とMさんは申しました。
兄嫁はMさんたちと顔を合わせても、ろくにあいさつもしない。
かと思うと、へんに自慢するような、自分の人脈を誇示するような告別式での弔問客の紹介がつづいた、というのも、不愉快に感じられたそうです。
Mさんはともかく、ご主人はカンカンだった、というのです。
それでMさんご夫婦は、その後の法事関連の帰省では、実家に泊まらず、すべてホテルに泊まったそうです。
むかしの田舎の感覚ですと、帰省するといったら、家族か親族かだれかが車を出して駅までむかえに来てくれてー、実家に泊まってー、実家でもてなされー、親戚の集まった席でごちそうをいただくー、と思います。
もちろん、Mさんご夫婦もそうでした。
でも、告別式での兄嫁の態度から、Mさんご夫婦はその後、実家に泊まるのはやめたそうです。
Mさんの娘さん一家が法事に参列するときにも、ホテルやレンタカーなどを自分たちで手配するように、娘さんに伝えたのだとか。
Mさんのご主人の兄嫁という人は、うろ覚えはありますが、学校の教師で、都会の人で、田舎の農家に嫁ぎたくなかった、とのことでした。
ノイローゼ気味とかウツとかいう話でもありました。
田舎の法事でノイローゼ気味になるというのは、よくある話みたいです。
Mさんから話をうかがっているときに、わたしと同席していた女性も、自分の伯母の話を例に出していました。
いなかの、本家とかの、お正月やらお盆やら法事やらの、大人数を受け入れる側のたいへんさって、ノイローゼもやむなしなのではないか、と思います。
わたしの父の実家の伯母(父にとっての兄嫁)も、いまにして思えば、孫10数人の食事、寝泊まりって、たいへんだったはずです。
孫のひとりであるわたしは、いまさら冷や汗です。
のちに父から聞いたところによると、某叔母は出産前後に半年以上の里帰りをしていたのだとか。←初耳でした
なにがきっかけでそんな話になったのか、覚えていませんが、父もつくづく伯母のたいへんさに気がついたみたいでした。
本家に暮らす伯母は、地元の出身で、農家の家がどういうものか知っていたからつとまったのかもしれません。いやー、それにしてもー。
父方の祖父はきまえがよく、祖母と叔母が農協に借金をしに行ったこともあったそうです。
本家の従姉2人は、「農家にとつぐのはヤダ」といって、それぞれサラリーマンと結婚しました。
そういえば、夫の家は元農家ですが、義姉は「農家にとつぐのはヤダ」といってサラリーマンと結婚しています。
実家と、帰省と、これからのおつきあい
思うに、もう、帰省するからといって、実家に宿泊し、実家から車の送迎があるなんてことは、あたりまえじゃないってことです。
とくに、両親が亡くなったあとに、それは期待することではない。
夫の実家にいる義兄も、このさき義母が亡くなったあとは、自分はなんにもしないから、勝手に来て勝手に帰ればいい、といっていました。
帰省って、手ばなしで歓迎されることじゃないのです。
って、わが家も今回、思い知ったわけですが。とくに夫が。
以前、義父が亡くなったときに、伯父のひとりが、今後は親類としてのつきあいはいっさい無用である、と宣言して帰っていったのだそうです。
義母は、そんな、あまりに不義理な、と怒っていました。
伯父のいいたかったことは、実家の両親が亡くなり、あとを継いだ弟が亡くなり、弟嫁と甥だけが残る実家にたいするつきあいかたとして、まとはずれではない、ような気がします。
口に出すと不義理で冷たい、ということになりますけれど、両親、せめて兄弟がいてこその実家かな、と。
都内に暮らしている伯父にしてみたら、もう、かかわる必要のない実家になってしまった、ということでしょうか。
実家も建て替えちゃってるしね。
でも、夫にとってはまだまだたいせつな実家です。
今後も、夫の実家への帰省はまだ続くと思います。
もしかすると、つぎの帰省はホテル宿泊かもしれませんが、夫の実家はもろ観光地なので、素泊まりでいいから実家に泊めていただきたいのが嫁の本音です。
ではまたー。