昔話です。
娘が1歳を過ぎて、あたたかい季節になったころ。
歩き出した娘を、ちかくの公園に連れていきました。
まー、いわゆる、公園デビューですねェ。
娘は、いちど公園へ行くとぜんぜん帰ろうとしない子供でした。
10時過ぎに行くのがよくないのかと思って、9時ごろに行っても、帰りは13時過ぎ。
そういう、当時30代母にとっては苦行にも似た公園通いでした。
どうしたらほかの子みたいに、娘がすんなり家に帰ってくれるのか、ちっともわからなくてなァ。
子持ちのママってなんでそんなにやさしいのですか?
自分がされたらぜったいヤダ、ゆるせんよ、って思うことを「あー、いいよいいよ」って許してくれる人と出会うとびっくりします。
自分の心がいかにせまいか、思い知らされます。
娘がまだ幼いころ、公園で、立ち話をしているママたちがいました。
その公園は、ちかくに幼稚園道があり、幼稚園帰りの親子がたくさんいたのです。
娘はあろうことか、あるママのバッグにぶら下がっているキーホルダーを口に入れてなめはじめたのです。
スミマセンスミマセン、とあやまる当時30代母。平謝りです。
すると、そのキーホルダーをぶら下げたバッグの持ち主であるママは「いいよー。これ好きなの? ばっちいけど、だいじょうぶ?」
そういって、またママ同士の会話をつづけたのです。ママスゲー
そして、思うぞんぶんキーホルダーをなめた娘に、そのママは「もういいの? よかったね」といって、またママ同士の会話に加わったのです。ママスゲー
娘のだっこしてポーズ
公園で起こった驚くべきエピソードとして。
娘が、見知らぬママにむかって、だっこしてポーズをしたことがあります。
まったく完全に見知らぬママで、わたしもそのママもおどろいて顔を見あわせました。
(見知らぬママ)「いいんですか、ね?」くらいのためらい。
(30代母)「あの、よかったら、お願いします」くらいの申しわけなさ。スミマセンスミマセン
そして、見知らぬママにだっこされる娘。
娘だけがだっこされるのも、申しわけないので、わたしも見知らぬママの息子さんをだっこ。
見知らぬ者同士で、子供の交換だっこ、というわけのわからなさ。
子連れは、なにかよくわからないまま、交流せざるを得ない状況に追いこまれることが、あるよーな、ないよーな。
だってね、娘がね、おどろくべき積極性でもって、交流していくんですよ。
母親としては、ついていくしかないじゃないですかー。
あれは、ほんとうに不思議な時期だったなァ。
そのようにして、わたしは公園で多くのママたちと交流しました。
しかし、とうとうママ友ができなかった現在40代母です。
ま、当時、携帯電話も持ってなかったしー。
しかし、ガラケーだろうとスマホだろうと、なんにも持っていなかろうと、他者と交流する意思があるならば、できるんだよなァ。
道具ではない、気持ちです。
そんなことを思った、今日このごろ。
ではまたー。