自宅の電話が鳴るときに。
電話番号が表示されるので、どこからかかってきたのか確認してから、電話に出るか出ないかを決めています。
実家からの電話には、出ます。
実家から電話がかかってくるときは、たいてい母親です。
父親からの電話
ところが、電話をかけてきたのは父でした。
ということは、なにかよくない電話なのです。
家族のだれかが入院したとか、なにか、よくないこと。
母かもしれない、と思いました。
いちおう、わたしの耳に入れておいたほうがいいだろう、という話。
伯母でした。
父の姉です。
いちばん近くに住んでいた父の親族。
裏にいってくる、と家から出て、そのまま倒れたのだ、と。
救急車で運ばれて、手術もなにもなく、そのまま亡くなったのだそうです。
脳梗塞。
夏は脱水による脳梗塞が多い、と聞いたことがあります。
汗による脱水で、血液がどろどろになりやすく、血栓ができやすいのだとか。
伯母は従姉の家族といっしょに暮らしていました。
だから、倒れてすぐに救急車を呼べたのです。
伯父はずいぶん前に亡くなっています。
そういうことを考え合わせると、伯母がひとり暮らしでなくてよかったな、とか、長わずらいをしなくてよかったな、などと思うのです。
いままで伯母について、身体の具合がわるい話を聞かなかったので、わりと健康に暮らしていたのではないか、と。
伯母は、父とそっくりな顔をしていたんですよね。
すごくよく似ていた。
女性にしては、ちょっとがらっぱちな感じで。
父からの電話を受けたとき、たまたま中2娘の目のまえでした。
わたしの電話の応対から、娘もなにが起こったか、だいたいわかったみたいです。
「おじいちゃんのおねえさんがね」と、娘にぽつりぽつりと話をしました。
娘が伯母と会ったのは、幼いとき、あとは近年のお葬式のときでしょう。
自宅の電話は、あまり鳴りません。
かかってくる電話といえば、セールス電話をのぞいたら、実家か学校関係です。
わたしの実家からの電話は、たいてい母親からです。
実家の母親が電話をかけてくるのは、野菜を送ってくるときです。
だから、もしそれ以外だとしたら、なにかよくない電話なのです。
「かあちゃんくらいの年になるとねぇ、そういう知らせが増えてくるんだよ」
こんなふうに娘に話していると、なんだかぐっと年を取った気分になる40代母です。
去年の春には父の従兄弟が亡くなっています。
思えば、そのときも父からの電話でした。
実家からの電話は、野菜か、そうでなければ。
なんだか、そんなふうになっています。
ではまたー。