40数年、かるく4半世紀以上生きてきて、いちどだけ。
いちどだけ、ある人に似ている、と面と向かっていわれたことがあります。
それは、娘が小学校に入学した年のことです。
娘は、小学校の保護者の有志が主催する、週1の活動に参加していました。
その活動に参加する小学生は、1年生から6年生までいます。
実際に参加しているのは、低学年の生徒が多かったです。
わたしはまだおさない息子を連れて、保護者としてその活動に協力していました。
その日は小学校の中庭で、シャボン玉遊びをしていたのです。
わたしはけして子供に好かれる性質の人間ではありませんが、その日はどういうわけか、なんども目の合う女の子がいました。
小学2年生くらいの女の子でした。
なんどか目が合ううちに、その女の子がわたしのそばにやってきて、こういったのです。
「○○ちゃんのママに似てる!」
わたしは、○○ちゃんのママに似ている
女の子「○○ちゃんのママに似てる!」(はにかみ)
わたし「そうなの?」(とまどい)
女の子「うん」(笑顔)
女の子がいうには、わたしはものすごく、○○ちゃんのママに似ているらしいのです。
わたしは、○○ちゃんはもちろん、○○ちゃんのママも知りません。
(だれだ、それー!?)と思いながら、その女の子との短い会話はおわりました。
小学2年生くらいの女の子が、もちろん校内の活動だから、だれかの保護者であるのはわかっているとしても、まったく見ず知らずのどこかのだれかの母親(←わたしのことである)に、はにかみながら声をかけてきたわけです。
いま思い返しても、すごくふしぎなのですが、ということは、もう、いわずにはいられないくらいに似てるっていうことなのではないか?
そんなに似てるって、いったい、どれだけ似ているのか?
でも、子供の印象だからねー、と思いつつ、その後、わたしはわたしに似た○○ちゃんのママを見ることはありませんでした。
○○ちゃん、という名前の部分も、じつはそのときによく聞きとれなかったのです。
でも、なんだかとてもうれしそうに、たいへんな発見をしたとでもいうような、そういう笑顔でわたしに声をかけてくれた女の子のことが忘れられません。
わたしに似ている、とはいったいどういうことなのかー。
だって、小学2年生くらいの子供が、そう思ったわけですよ。
どこがどう、どんなふうに似ているというのかー。
あるいはまた、その女の子が○○ちゃんに「あのね、このあいだね、○○ちゃんのママにそっくりなママを見たんだよ。ほんとうにそっくりなの」そんな話をしたかもしれません。
そうして、その話が○○ちゃんから、○○ちゃんのママに伝わり、わたしに似たその人は、わたしのように目を丸くして、おどろいたり、ふしぎがったり、したのかもしれないです。
という妄想を、いまでも、ときおりしてみる40代主婦なのでありました。
自分がだれかに似ているなんていわれたのは、それきりです。
しかも、どうやら、とてもよく似ているらしいので、なんとも奇妙な心地がします。
ではまたー。