4年ほどまえ、子供の自転車が盗まれました。
アパートの階段下に置いていて、施錠はしていませんでした。
その自転車は娘が3年くらい乗っていた小さめの自転車で、息子が乗りはじめるんじゃないかと、夫がスプレーで黒く塗っていました。
正直なところ、盗まれるほどのいい自転車ではありません。
夫がサドルに黒くスプレーをしたので、べたべたしていたのを覚えています。
盗まれて失ったタイミングで得たもの
わたしにしてみたら、サドルはべたべたしているし、あんな自転車をよく持っていたなァ、という気持ちでした。
ぼろい自転車だったし、捨てたと思ってもいいのですが、アパートの敷地内、奥まった階段の下に置いてあったのをわざわざ持っていかれた、というのが薄気味悪くて、ですね。
というのも、その階段の下へ行くには、うちの玄関ドアのまえを通るんです。
そう考えると、ほうっておけないと思って盗難届を出すことにしました。
小さい自転車でしたが、防犯登録もしてありましたし。
若いおまわりさんがやってきて、実況見分というのかな、お話をして、盗難届を出しました。
それから1週間たたないうちに、おなじアパートの別棟に住むAちゃんのおじいちゃんがやってきました。
そして、うちの息子につかってほしい、と新品のストライダー(ランニングバイクとかいろいろないい方があるみたいですが、ペダルなしの自転車のこと)をくれたのです。
びっくりしました。
いままであいさつをするていどの間柄で、子供同士は遊んでいたけれど、もののやりとりはなかったのです。
(いわゆる、こんなのです↓)
仮説ですが。
おそらくそのストライダーは、離婚してはなれて暮らすAちゃんのパパが、Aちゃんにくれたものだと思うのです。
でも、離婚した相手からもらったものを、Aちゃんのママはこころよく思わなくて、Aちゃんに使わせなかった。
新品のまま、色あせた箱に入ったストライダー。
たまたま水色だったことがさいわいして、息子のところにまわってきたんじゃないかなー、と。
そんな、ゲスのかんぐりです。
古い自転車が盗まれて、新品のストライダーがやってきたこと。
なくしたものを惜しまずにいたから、もっとよいものが入ってきたとかいうことなのか。
なんともふしぎなことでした。
Aちゃんのおじいちゃんが、どんな理由でストライダーくれたのか、ほんとうのところはわかりませんが、息子にとってはうれしいプレゼントでした。
その後、息子はストライダーに夢中になり、上手に乗りこなせるようになりました。
おかげで自転車もすんなり乗れるようになったのです。
さて、そんなストライダーも、不燃ゴミ袋に入るほどの大きさに解体しました。
かつては3輪車もハイスパイマンで解体したのです。
いま息子は、娘が2台目に乗った自転車を使っています。
盗まれた自転車が見つかったという連絡は、いまだにありません。
ではまたー。