これはつまり、中学デビューということになるのだと思いますが。
小学校生活6年間において、友達のひとりもいなかった息子が、いま、中学入学を機に同級生と交流しています。
いままでの6年間とはなんだったのか。
二者面談のたびに、担任の先生に確認していた友達ゼロの学校生活。
先生「けけくんは、みんなから嫌われているわけではありません」←ですよね
先生「けけくんを入れてくれるグループはありますか?」←本人も気まずいといっていた
ほんとうになんだったのか、と思ういっぽうで、そんな6年間があったからいまがあるのだとも思います。
そんなわけで、いまのところふつうに中学校生活を送っているっぽい中1息子の話です。
ジャージの取り違え事件
現在、中1息子のかよう中学校は、ジャージ登校がつづいています。
まだ長袖のジョージを着ていて、さいきんやっと長ズボンははかなくなりました。
そんな、ある日、帰宅した息子のジャージが「もりのくまお」(仮名フルネーム)になっていました。
さいしょに気がついたのは、高3娘です。
「ああッ!」とさけぶ、中1息子。
やっちゃったね。
母「じゃあ、いまごろ、もりのくんがけけくんのジャージ見て、ああッ、てなってるんだね」
中1息子「洗って、ちゃんと洗って! 洗って、アイロンかけて!」
いま、うちではジャージ1セットでまわしているから、毎日洗濯して乾燥機なんですよね。
もちろん、もりのくんのジャージも洗います。
母「洗うけど、ジャージにアイロンはかけないよ」
ジャージにアイロンて、どんなに気をつかっているんだよ、と思いました。
ソフトテニス部に入部した中1息子は、部活のときに、おもな活動場所であるテニスコート付近の校舎のかげで着替えをおこなっているみたいです。
学校に更衣室がない状況は、さいきん話題になっていますが、中1息子のかよう中学校でもおなじです。
制服の下に体操服とハーフパンツをはいて登下校するのは、制服を脱ぐだけ、制服を着るだけ、で着替えを完了させるためなのですね。
ジャージ登校のいまは、ジャージの長袖長ズボンを脱ぎ着して、着替え終了です。
自分専用の机もロッカーもないのだから、そりゃあ、取り違えが起こるのもふしぎではありません。
中1息子がいうには、もりのくんが先に着替えていて、残っていた長袖ジャージを自分が着たそうですから、責任問題はセーフです。
もりのくんは、クラスメイトで、おなじソフトテニス部です。
そして、べつの小学校出身で、もともとはサッカーをしていました。
もしも、中1息子がもりのくんとおなじ小学校だったとしても、共通項もなく、なかよくはならなかったのではないかと思うのです。
わからんけど。
ただ、部活という、しかも運動部という、きびしく理不尽な練習や活動をともにおこなうことによって、めばえるであろう連帯感や仲間意識が。
そんなもろもろが、中1息子を同級生たちと親しくさせてゆくのかな、どうかな、と思っとります。
いまのところ、順調です。
たぶん。
漏斗胸公開ハプニング
そんな中1息子が、部活内でアクシデントに見舞われました。
なんということでしょう。
ソフトテニス用のボールが、腹部を強打したのです。
部活の練習には、ボールを投げる役と、ボールを打つ役に分かれておこなう練習メニューがあります。
中1息子はボールを投げる役割をしているときに、近距離で、おなかにボールを受けてしまったのです。
しかも、その打つ役の生徒は、中1息子いわく「同級生のうちで2番目にうまい子」でした。
つまり、ボールの威力が強いってことです。
そして、その痛みに、中1息子は泣いてしまった、といいます。
さらに、ボールの当たった腹部を見てみると、なんと、へこんでいる! ザワザワ、ザワザワ
いえいえ、それは、中1息子の漏斗胸のへこみです。
中1息子の胸は、漏斗胸のために、お風呂に入れば池ができるくらいにへこんでいるのです。
母「これは漏斗胸なんだよ、っていった?」
しかし中1息子は、とっさにロウトキョウという言葉が出ず、「病気でへこんでるんだよ、っていった」といいました。
高3娘「ボール当たって、へこんでたらヤバいよね」
母「かなりの重傷、病院に行ってるよ」
などと軽く話しながら、心の中では、思わぬところで漏斗胸がおおやけになったなー、と思ったのです。
漏斗胸の、ネガティブ
まーねー。
わたしが息子とお風呂に入っていた時期、だいたい4年生のころに、すでに息子は胸のへこみで池を作っていたのです。
それを見たとき、わたし、つい、吹き出しそうになりました。
ちょっとー、なに池つくってんのー、と。
しかし、そのへこみは、当時は息子に伝えていなかった、漏斗胸によるへこみなのです。
それから、息子が6年生になったとき、小学校の内科検診で、とうとう漏斗胸の疑いがあるとしてお手紙が来ました。
だよねー、知ってた。
知らなかったのは、息子…………、と娘。
それを機会に、息子に「漏斗胸」について話しました。
娘にも、息子が漏斗胸であることを話しました。
女の子の場合、漏斗胸が目立たない、という話なのですが、娘は漏斗胸ではないと思います。
すくなくとも、いっしょにお風呂に入っていたときに、へこみ、変形は見られなかったな、と思って、息子の漏斗胸の話をしたときに娘に確認してみました。
本人もちがうといっていたので、高3娘は漏斗胸ではありません。
ちなみに、夫が漏斗胸です。
夫は、小学生のときに自分で胸のへこみについて気になって、たまたまべつの件で診てもらった整骨院で話をしたのだそうです。
すると、漏斗胸には遺伝の要素があるのでしょうか。
ただし、夫の場合は片側がへこんでいるだけで、そんなに目立たないのです。
ですから、わたしも、夫から「俺、ここの骨が奇形なんだよね」といわれたときに、「ふーん、そうなの?」という感じで、ぜんぜん気にしていませんでした。
そのころ、わたしは漏斗胸という言葉も知らず、夫が奇形という言葉をつかっていたから、その通りに、ちょっと骨が変形している箇所があるんだなー、くらいに思っていました。
病名があるとは思いませんでした。
夫自身は、漏斗胸の指摘を他人からされたことはないそうです。
しかし、けけくん、君の胸はみごとにへこんでいるなァ。
これにはちょっと、母親であるわたしも驚きつつ、こっそりグーグル検索をしました。
漏斗胸のいちばんの問題としたら、見た目です。
それから、肺活量。
脊柱側弯症。←せきちゅうそくわんしょう
猫背。
わたしはネットで検索したあとで、息子の猫背について、注意できなくなってしまいました。
それは、漏斗胸によって肺が圧迫され、肺活量が何パーセントか減っていて、その分の呼吸の苦しさを猫背になることでやわらげているのかもしれない、と思ったら、いえなくなってしまったのです。
ただ、息子は、これまでにそのへこみを他者から指摘されたことがなく、また、ネガティブな言葉をかけられたこともないらしいのです。
そして、部活動内でのアクシデントから、みんなのまえに漏斗胸をさらすことになったときにも、おどろかれたみたいですが、否定的な言葉かけはされなかったもようです。
そういえば、6年生のときはコロナのために体育の授業から水泳がなくなり、同級生に胸部を見せる機会がありませんでした。
そんなこんなで、中1息子は、自分の身体はこういうふうになっているものとして受け止めています。
漏斗胸の見ため問題
中学に入学するまえに、わたしはとうとう自分の心配を息子にいったことがあります。
母「もしかしたら、その胸のへこみを見た子が、イヤな言葉をいうかもしれないんだよね」
すると、息子は「そんなことをいわれても、しょうがないよね。だって、こうなんだからさ」
ニュアンス的に、そんなこと他人にいわれてもこまるよね、じゃあ、どうしろっていうの、みたいな。
まあ、そうなんだよね。
ただそれで、外科手術をしたくなったりするのかな、とは思うんですけど。
手術するとかしないとかは、見ための問題だけ、とお医者さんにはいわれていて、本人が気にしていなければこのままでいいんじゃないかな、とわたしは思っています。
この思春期に、同級生との交流が増えたいまの時期に、中1息子がなにをどう考えていくかはわかりません。
漏斗胸の話を高3娘と中1息子にするとき、ネットで見つけた海外の水泳選手の写真を見せました。
二度見したけど、その人、ご自身の胸のへこみにスナック菓子を入れていたんです。
これには、わたしも子供たちも笑いました。
高3娘「強いな」
母「使いこなしている」
中1息子「お皿がわりにしてるの!?」
ま、そんな感じです。
本人は、いまのところ、おっけー。
ではまたー。